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農道ってなに?

みなさん、農道って知ってますか?
たぶん大半の人が聞いたことがあると思いますし、実際に車で走ったことがある方も多いのではないでしょうか。
でも、農道には色々な種類があって、それぞれ財源や目的が違っているのいうのは意外と知られていないようです。農家の人でも知らない方が多いくらいですから。

農道とは、

土地改良法に基づく土地改良事業、独立行政法人緑資源機構法に基づく農用地総合整備事業、特定中山間保全整備事業または、ふるさと農道緊急整備事業により造成された道路であって、農道として管理されているもの。
となっています。
ただし、道路法第7条第1項または第8条第1項により都道府県道または市町村道として認定された道路は農道から除外されます。

では、具体的にはどんな種類があるのでしょうか?

1.農免農道
通常、ガソリン(揮発油)の取引には揮発油税がかかりますが、農林漁業用機械に消費されるガソリンについてはそれが免除されることになっています。
しかし、取引の際にそのガソリンが何に使われるのかを確かめるのは現実的ではないので、農林漁業用機械に消費される分の揮発油税に相当する額を財源として道路を整備することで、揮発油税の免除に代えているのです。
この事業を「農林漁業用揮発油税財源身替農道整備事業」と言い、税金を免除する分を使用して道路を建設することから、その道路を一般に農免農道と呼びます。
つまり、農家に還元されるはずの税金を使っているわけで、農免農道に関しては、一般の人が納めた税金は使用されていないことになります。

2.広域農道
農村地域に散在する農地を一つの団地と捉え、集出荷・加工プロセスの一元化などにより産地としての市場競争力を高めることを目的とした農道です。
都市に対する環状道路もしくは幹線道路に対するバイパスとしての機能を持つこともあり、農村における生活水準の改善に資するとされています。
この事業を「広域営農団地農道整備事業」と言い、その道路を一般に広域農道と呼びます。
この道路の目的上、主要幹線道路の近道や抜け道として使っている方も多いのではないでしょうか? 道幅も広く、舗装もしっかりしていて大変便利です。

3.一般農道
都道府県が行う農道網の基幹となる農道の整備を行うもので、広域農道、農免農道以外のものをいいます。
この事業を「一般農道整備事業」と言い、その道路を一般農道と呼びます。通常、砂利道の場合が多く、田んぼや畑に直結する末端の道路です。普通の人はあまり通らないですよね (^^;

4.ふるさと農道
地方債を財源とした地方単独事業で、都道府県が行う事業と市町村が行う事業があります。
集落間または集落と基幹的公共施設等との間を連絡する農道等を整備するもので、この事業を「ふるさと農道緊急整備事業」と言い、その道路を一般にふるさと農道と呼びます。
あまり見かけることもなく、事業そのものが2007年までの時限措置となっているので、現在はあまり関係ないかもしれませんね。

今度、農道を通る機会があれば、ぜひ道端の表示を注目して見てください。きっと農免農道とか広域農道という文字が見つかると思います。(一般農道に関しては表示がありませんが・・・)
そのとき、「ああ、このことか。」と思い出して頂ければ幸いです。

水路の管理

農業用の水路には、用水路と排水路があります。
用水路は水田や畑に水を供給するための水路、排水路は余った水を排出するための水路です。

水田は、文字通り水を溜めた状態のままで水稲を栽培するので、たくさんの水を必要とします。そのため、水田地帯の水路は網の目のように張り巡らされています。
場所によっては、3本、4本の水路が並行して流れていることも珍しくありません。

農家は、土地改良区ごとに水利費を支払っています。農業用水はタダではありません。でも、同じように水利費を払っていても、水の使用権は平等ではなく、基本的に上流の農家が優先的に水を使う権利を有します。
水は、農家にとって命のように大切なものであり、その分配をめぐっては、しばしばトラブルになることもあります。
特に、水系が分岐するポイントでは、水の取り合いになることもあり、さりげなくゴミを詰まらせて流れを変えたりという裏技も、しばしば(わりとよく)使われます(^^;
また、切羽詰まった農家が自ら水路に入り、自分の体を盾にして水を得る、というケースも昔はあったそうです。まぁ、これは極端な例ですが・・・

この水路の管理も、農家の大切な仕事です。
毎年春になると、水系ごとに農家が集まって、水路の大掃除をやります。去年1年間に溜まったゴミや泥を掻き出して、水路をキレイにします。私の地方では、参加できない農家はかわりに現金を支払います。

でも、最近ではひとつの水系に耕作農家が数軒しか存在せず、水路の維持が困難になってきている所もあります。高齢化で離農する人が多いのです。また、途中に住宅地ができて、水路が途切れてしまっている所もあります。完全に途切れていなくても、住宅地の中の水路を維持するのは大変です。掻き出した泥を上げるスペースも無い始末です。
水系が崩壊すると、水田はもはや水田ではなく、ただの畑になってしまいます。
悲しい現実ですね。

稲刈りのタイミングで味が変わる

あまり知られていない農業ネタ編。
今回は稲刈りの時期についてちょこっと。

水稲の収穫量というのは、簡単に解説すると、単位面積(例えば10a)当たりの籾数と、1粒の籾の重量、それに含まれるくず米の割合、等によって決まります。
最も大切なのは10a当たりの籾数を確保することですが、これはまた別の機会にでも。
話が長くなるし、それぞれの農家の企業秘密みたいなものですから。

では、稲刈りのタイミングによって何が変わるのか?

稲刈りが早いと、籾全体に含まれる未熟粒の割合が増えます。未熟粒とは、まだ完全なお米になっていない状態の粒で、緑色をしています。割ってみると、中身は白色です。農家で言う青米というやつですね。
ただし、同じ緑色でも、中身が半透明の物は問題ありません。
この場合の問題は、収穫後に玄米をふるいにかけたときに、未熟粒がくず米として選別されるため収穫量が少なくなってしまいます。しかし、残った玄米は食味に優れ、品質も良好です。

反対に稲刈りが遅い場合は、未熟粒の割合が少なく、登熟期間が長くなるため粒が肥大します。1粒の重量が増え、さらにくず米の割合も少ないため、収穫量が多くなり、一見すると農家にとって良いことだらけのように感じます。
しかし一方で、登熟しすぎた粒は胴割れをおこし、品質を低下させます。粒に艶がなくなり、茶色の米が混じるようになります。
胴割れとは、米の中心付近に横方向のヒビが入る状態で、そのうち上下に割れてしまいます。米の検査において、被害粒以外で落等する主要な要因となっています。
当然ながら、このような玄米では食味は期待できません。

各地の農業指導にあたっている、県・市町村機関、農協などでは、秋になると「適期刈り」を呼びかけています。
ですが、農家の収穫時期を見ていると、少し遅めに刈り取っている場合が多いような感じがします。
なぜか?
簡単に結論すると、やっぱり少しでも収穫量がほしいから。ということになるのでしょうか。
一般的な農家は、収穫した米を農協や業者に出荷します。
その際、食味で価格が変わることはありません。試食してから買い付けするわけではありませんから。
価格を決めるのは見た目の品質です。
ならば、胴割れがおこる寸前まで収穫量を確保したいと考えるのは、ごく自然なことだと思います。

しかし、当店のように直接販売をおこなっている農家の場合は、食味が良いというのはとても重要です。
ちょっとでも美味しいお米を食べてほしい。
なので、わが家では「適期よりも少し早め」を目標に稲刈りをしています。

よく父が言います。
「米というのは、少しアオが入るくらいが一番旨い」
実際に食べてみるとよく分かります。

良食味。 やっぱり大事ですよね。

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